
ワン
ゆっけさん、転職の準備って、まず何から始めればいいんですか?

ゆっけ
意外に思われるかもしれませんが、いちばん最初はお金の把握です。
求人を見るのでも、書類を書くのでもありません。
自分の家計を知ることから始めます。
遠回りに見えますが、これをやっておくと転職活動が驚くほど楽になります。
読み終えるころには、あなたが目指すべき年収の金額が具体的に出せるようになります。
結論:生活費の半年〜1年分を、先に貯めておく
先に結論をお伝えします。
転職活動を始める前に、生活費の半年から1年分を用意しておきましょう。
これを「生活防衛資金」と呼びます。
生活防衛資金とは、収入が止まっても生活を続けられるお金のことです。
転職活動中の安心を、お金で買っておくイメージです。
なぜ、お金の準備が転職に効くのか
理由は3つあります。
① 焦って決めなくて済む
お金に余裕がないと、最初に出た内定に飛びついてしまいます。
条件が合わなくても「もう決めるしかない」となるからです。
断れる状態でいることが、良い転職の前提になります。
② 家族に説明できる
転職に反対されるのは、ほとんどが「不安だから」です。
「なんとかなる」では、家族は納得しません。
数字を見せられれば、話がまったく変わります。
③ 年収交渉の基準線になる
「いくら欲しいですか」と聞かれたとき、多くの人は答えに詰まります。
家計を把握していれば、根拠のある金額を即答できます。

ワン
たしかに、聞かれても答えられない気がします…。

ゆっけ
私も詰まりました。だからこそ、先に自分の数字を持っておくんです。
STEP1 1年間の生活費を出す
まずは、1年間でいくら使っているかを把握します。
完璧でなくて構いません。ざっくりで大丈夫です。
固定費と変動費に分けます
| 種類 | 中身 | 調べ方 |
|---|---|---|
| 固定費 | 家賃・保険・通信費・奨学金 | 引き落とし明細を見る |
| 変動費 | 食費・日用品・交際費 | 3ヶ月分の平均を出す |
一番簡単なのは、通帳とクレジットカードの明細を1年分ながめることです。
家計簿をつけていなくても、これだけで大体の金額が分かります。
獣医師の場合、奨学金の返済を必ず固定費に入れてください。
ここを忘れると、必要な金額を大きく見誤ります。
奨学金については、こちらでまとめています。
STEP2 生活防衛資金をいくら貯めるか
1年間の生活費が出たら、そこから逆算します。
| 状況 | 目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 独身・実家 | 3〜6ヶ月分 | 最悪、実家に戻れる |
| 独身・一人暮らし | 6ヶ月分 | 家賃が止められない |
| 家族がいる | 1年分 | 動かせない支出が多い |
たとえば1ヶ月の生活費が25万円なら、半年分で150万円です。

ワン
けっこうな金額ですね…。すぐには貯まりません。

ゆっけ
そうなんです。だから転職を考え始めた今から貯め始めてください。
満額そろうまで動けない、という意味ではありません。
貯まっていく過程そのものが、あなたの選択肢を増やしてくれます。
STEP3 これから必要になるお金を見積もる
生活防衛資金が「守り」だとすれば、ここは「攻め」の話です。
これから10年で、いくら必要になりそうかを考えます。
- 結婚するか
- 子どもは何人か
- 家を買うか、借り続けるか
- 車をいつ買い替えるか
- 親の介護はどうなりそうか

ワン
そんな先のこと、分かるわけないですよ…。

ゆっけ
当てなくていいんです。大事なのは分からないなりに数字を置いてみることです。
「分からないから考えない」のと「分からないなりに答えを出す」のとでは、結果が大きく変わります。
外れてもいいので、いったん置いてみてください。
あとから何度でも直せます。
STEP4 理想の年収を逆算する
ここまで来れば、あとは計算するだけです。
1年間の生活費 + 毎年貯めたい金額 = 必要な手取り
この手取りから逆算した額面が、あなたの「理想の年収」です。
手取りは額面の75〜85%が目安です。
必要な手取りが500万円なら、額面はおよそ600万円前後になります。
手取りの計算は、こちらで詳しく解説しています。
「高ければ高いほどいい」と考えない
ここで大事なことをお伝えします。
出すべきなのは、あなたの暮らしを満たせる金額です。
足りている状態を知っている人は、強いからです。
「いくらでも欲しい」と思っていると、交渉の場で基準がありません。
相手の提示に流されるか、根拠なく高い額を言って話が止まるかのどちらかになります。
「600万円あれば、私の生活とこれからの計画は成り立ちます」
こう言える人は、落ち着いて交渉できます。
その数字が、年収交渉で効きます
面接で年収を聞かれたときに、根拠を持って答えられるようになります。
「600万円を希望します。理由は、今の生活費とこれからの計画から逆算した金額だからです」
これは、ただ「高い方がいいです」と言うのとはまったく違います。

ゆっけ
交渉で強いのは、声が大きい人ではなく根拠を持っている人です。
交渉の具体的な進め方は、こちらでまとめています。
家族に反対されないために
転職の話を切り出すと、反対されることがあります。
このとき役に立つのが、ここまでで作った数字です。
- 今の生活にいくらかかっているか
- これから何にいくら必要か
- 転職後にいくら必要か
- そのための貯金がいくらあるか
これを見せながら話すと、感情論になりにくくなります。
伝える順番は「家族には早く、職場には後で」。
家族は味方につけるべき相手ですが、職場に早く伝えると動きにくくなります。
職場に知られずに進める方法は、こちらでまとめています。
まとめ
- 転職活動の最初の一歩は、求人探しではなく家計の把握
- 生活費の半年〜1年分を生活防衛資金として貯める
- 獣医師は奨学金の返済を必ず固定費に入れる
- これから必要なお金は、外れてもいいので数字を置いてみる
- 生活費と貯蓄目標から、あなたにとっての理想年収を逆算する
- その数字が、年収交渉と家族への説明の両方で武器になる

ゆっけ
お金の準備は、転職の「保険」ではなく「土台」です。
土台があると、焦らずに選べます。
焦らずに選べると、良い転職になります。
今日できるのは、通帳を開いて1ヶ月分の支出をながめてみることだけで十分です。
そのうえで、どこへ動けば年収が上がるのかを考えてみてください。










