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地方公務員獣医師の給与ランキング|1位は奈良県。47都道府県を調べました

地方公務員獣医師の初任給を都道府県別に調査。1位は奈良県35.1万円、2位北海道35.0万円、3位山形県34.6万円、4位広島県34.3万円。47都道府県を調査し、46県で金額を確認。差を生むのは初任給調整手当で、宮崎は20年で1,027万円。手当の据え置き期間や逓減の仕方まで、公式資料をもとに解説します。

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地方公務員獣医師の給与ランキング|1位は奈良県。47都道府県を調べました
ゆっけ書いた人:ゆっけ(現役獣医師)保健所→産業動物臨床→家畜保健衛生所→畜産と、4つの現場を経験。
ワン

ワン

ゆっけさん、公務員獣医師って、結局どこの自治体がいちばん給与が高いんですか?

ゆっけ

ゆっけ

自治体によって給料表も初任給調整手当も違うので、給与にはかなりばらつきがあります

とはいえ、それだけでは受験先を決められません。

そこで、47都道府県の採用案内と募集要項を1件ずつ確認しました。

一番高かったのは奈良県です。東京でも大阪でもありませんでした。

📌 この記事の結論

  • 初任給1位は奈良県(351,642円)。2位北海道、3位山形県、4位広島県
  • 東京都・神奈川県だけ給料表が違う(行政職給料表)
  • 差を生んでいるのは基本給ではなく初任給調整手当
  • 宮崎県は月7万円×20年で総額1,027万円。手当の総額は県ごとに大きく違う
  • 手当は毎年のように増額されている。数字は上がる方向
💡この記事でわかること
  • 地方公務員獣医師の初任給ランキング(46都道府県分)
  • 初任給調整手当ランキングと生涯の総額
  • 同じ県でも配属先で金額が変わる理由
  • 自分の受ける自治体を調べる手順

結論:初任給ランキング

その県でいちばん高くなる金額を並べました。

配属先によって額が変わる県では、基本的に食肉衛生検査所勤務がいちばん高くなります。以下の数字も、そちらを採っています。

比較の基準:大学6年新卒・1年目・月額。初任給調整手当・給料の調整額・地域手当をすべて含めた額です(住居・扶養・残業代は除く)

順位都道府県・月額内訳のポイント
1奈良県 351,642円給料の調整額・地域手当・初任給調整手当を含む
2北海道 350,000円給料+初任給調整手当326,000+給料の調整額24,000(家保・食検の上限)
3山形県 346,200円衛生研究所勤務 296,200+初任給調整手当50,000(上限)
4広島県 343,000円283,000(広島市内勤務)+初任給調整手当60,000(初年度)
5鹿児島県 341,100円給料の調整額・初任給調整手当30,000円を含む
6福岡県 341,000円特定獣医師職給料表。初任給調整手当を含む概数
7宮崎県 338,400円給料の調整額・初任給調整手当70,000円を含む
8滋賀県 337,457円第1種初任給調整手当・地域手当を含む
9岐阜県 337,200円給料262,200+調整額20,000+初任給調整手当55,000
10愛知県 336,600円給料+地域手当286,600+初任給調整手当50,000
11香川県 332,448円医療職給料表(二) 272,448+初任給調整手当60,000
12宮城県 330,126円内訳は非公表
13佐賀県 328,300円(推計)医療職給料表(二) 268,300+初任給調整手当60,000
14徳島県 326,500円特定獣医師職給料表 251,000+初任給調整手当50,000(上限・15年)+調整額25,500(上限)
15千葉県 324,900円医療職給料表(2)+初任給調整手当(月30,000以内)
16三重県 323,000円地域手当+初任給調整手当(月50,000以内)
17岩手県 322,100円給料262,100+初任給調整手当60,000
18埼玉県 320,200円地域手当・初任給調整手当を含む
19熊本県 320,000円初任給調整手当を含む
20青森県 319,200円給料249,200+初任給調整手当70,000
21富山県 318,100円給料258,100+初任給調整手当60,000(1年目。以降逓減して20年)
22長野県 318,000円地域手当+初任給調整手当50,000
23茨城県 317,790円給料251,500+調整額20,000+獣医師手当30,000+地域手当16,290
24島根県 317,689円初任給調整手当50,000を含む
25兵庫県 315,161円地域手当+初任給調整手当(上限36,100)
26京都府 315,000円地域手当9.4%+初任給調整手当を含む
27和歌山県 314,193円医療職給料表(2)+初任給調整手当+地域手当
28福井県 314,100円医療職給料表(二) 258,100+初任給調整手当56,000(上限・15年)
29栃木県 313,424円給料+地域手当4% 268,424+初任給調整手当45,000(上限・15年以内)
30愛媛県 313,113円医療職給料表(二) 261,813+初任給調整手当51,300
31石川県 312,300円医療職給料表(2) 261,000+初任給調整手当51,300
32鳥取県 311,500円初任給調整手当60,000を含む。配属先により298,600〜311,500円
33岡山県 311,311円内訳は非公表
34山口県 311,300円給料251,300+初任給調整手当60,000
35福島県 308,400円動物愛護センター勤務は300,300円
36高知県 307,400円医療職給料表(2) 257,400+初任給調整手当50,000
37長崎県 304,500円食肉衛生検査所(本土)。給料の調整額・初任給調整手当を含む。家保(本土)296,500/家保(離島)325,480
38東京都 301,560円行政職給料表(一) 251,300+地域手当20% 50,260。初任給調整手当はなし
39静岡県 300,000円初任給調整手当・地域手当を含む
40大阪府 297,900円地域手当・初任給調整手当を含む
41大分県 295,100円給料250,100+初任給調整手当45,000
42新潟県 291,964円初任給調整手当を含む
43群馬県 282,476円初任給調整手当30,000を含む
44神奈川県 282,000円経験7年の額。行政職給料表(1)。新卒の公表なし
45沖縄県 277,700円医療職給料表(2) 222,700+初任給調整手当55,000
46秋田県 262,268円内訳は非公表

47都道府県を調べ、46県で金額を確認できました。1位は奈良県です。

給与の中身を分解すると、こうなります

茨城県が内訳をきれいに公表しているので、例として借ります。

項目月額
給料月額251,500円
給料の調整額20,000円
獣医師手当30,000円
地域手当16,290円
合計317,790円

給料月額そのものは25万円台です。そこに手当が3つ乗って、31万円台になっています。

基本給ではなく、手当で差がついている——このあと詳しく書きますが、構造はこの表がすべてです。

ワン

ワン

えっ、東京とか大阪が上位じゃないんですか?

ゆっけ

ゆっけ

入っていません。そもそも東京都は、他の県と同じ土俵に乗りません

東京都だけ、条件が違います

東京都が公表しているのは給料月額の251,300円だけです。他の県のように「初任給調整手当や地域手当を含んだ額」は出していません。

そこで、地域手当20%を足した301,560円をランキングに入れています。

項目月額
給料月額251,300円
地域手当20%50,260円
初任給調整手当なし
合計301,560円

初任給調整手当がありません。ここが、地方の県との決定的な差です。

もうひとつ、大きな違いがあります。

東京都の獣医は、行政職給料表(一)が適用されています

適用される給料表
大多数の県医療職給料表(二)
徳島・福岡特定獣医師職給料表(獣医師専用につくられた表)
東京都行政職給料表(一)

行政職の給料表は、獣医師の6年制課程を前提に設計されていません。ここが、地方の県と決定的に違う点です。

なぜ東京は低く、地方は高いのか

理由は、はっきりしています。

東京は、給与が低くても獣医師が集まるからです。だから手当を厚くする必要がありません。

逆に地方は獣医師が足りません。給与を相対的に高く設定しないと、人が来ないのです。

状況給与の設定
東京都給与が低くても受験者が集まる手当はほとんど付かない
地方の県獣医師が足りず、確保に必死手当を上乗せして高く設定

初任給調整手当が「人材確保のための手当」と呼ばれるのは、そのままの意味です。足りない場所ほど、高くなります。

なお、東京都は**採用サイトに獣医師の初任給を載せていません。**この251,300円は、人事委員会が公開している初任給一覧のデータから拾いました。

差を生んでいるのは「初任給調整手当」

なぜ地方が上位に来るのか。理由ははっきりしています。

初任給調整手当です。

これは「専門知識が必要で、人が採れない職」に対して、一定期間だけ上乗せされる手当です。獣医師はまさにこれに該当します。

調整手当ランキング

注意

月額だけを見ても、実際にもらえる額は分かりません。

同じ「月5万円」でも、5年で減り始める県と、10年据え置きの県があります。

金額・減り方・支給期間の3つをセットで見てください。

都道府県初年度の月額減り方支給期間総額
宮崎県70,000円4年間は据え置き。5年目から年4,000円ずつ減額20年最大約1,027万円
青森県70,000円逓減の条件は非公表非公表
山口県60,000円毎年2,000〜3,000円ずつ減額(20年目に12,000円)20年最大810万円
香川県60,000円5年間は据え置き。以後逓減20年
鳥取県60,000円1年経過ごとに減額20年
佐賀県60,000円3年間は据え置き。4年目から年3,000円ずつ減額20年
広島県60,000円逓減の条件は非公表非公表
岩手県60,000円逓減の条件は非公表非公表
富山県60,000円2年目から逓減20年
福井県56,000円(上限)1年経過ごとに減額15年
岐阜県55,000円7年間は据え置き。8年目から年4,000円ずつ減額20年
長崎県55,000円10年目まで年2,500円ずつ減額→11年目30,000円に切替、以後年3,000円ずつ20年723万円
沖縄県55,000円5年目まで据え置き。6年目50,000円、以後年5,000円ずつ減額逓減
石川県51,300円逓減15年
愛媛県51,300円(上限)
徳島県50,000円15年
長野県50,000円1〜5年目は据え置き、以後漸減15年
三重県50,000円以内15年
山形県50,000円(上限)
島根県50,000円
高知県50,000円(上限)最長15年
愛知県50,000円(上限)最長15年
大分県45,000円(上限)20年828万円
栃木県45,000円(上限)15年以内
兵庫県36,100円(上限)15年
千葉県30,000円以内15年以内
山梨県30,000円行政職・研究職給料表の適用者が対象
鹿児島県30,000円11年間は据え置き。12年目から年3,000円ずつ減額20年

「据え置き期間」が効きます

減り始めるまでの年数が、生涯の受取額を大きく左右します

初年度据え置き20年での受取イメージ
鹿児島県30,000円11年初年度は低いが、長く維持される
岐阜県55,000円7年高額を長く維持
佐賀県60,000円3年高額だが減り始めが早い
富山県60,000円0年(2年目から減額)額は高いが目減りが早い
山口県60,000円0年(初年度から減額)額は高いが目減りが早い

山口県は初年度6万円ですが、毎年2,000〜3,000円ずつ減り、20年目には12,000円になります。

一方、鹿児島県は初年度3万円ながら11年間そのまま。単年の比較では鹿児島が倍近く低く見えますが、差は年々縮まります。

ゆっけ

ゆっけ

だから「初年度いくら」だけで判断すると読み違えます。説明会では「何年目から減りますか」まで聞いてください。

総額が公表されている県は、そこを見るのがいちばん確実

20年の総額
宮崎県最大約1,027万円
大分県828万円
山口県最大810万円
長崎県723万円

大分県は月額45,000円で、山口県の60,000円より低いのに、総額では上回っています。

減り方が緩やかだからです。月額ランキングと総額ランキングは、順位が入れ替わります。

名前が違う県もあります

茨城県は「獣医師手当」という別の制度を持っています。

役職月額
技師30,000円
主任20,000円
係長級10,000円
課長補佐級5,000円

昇進すると減っていく設計です。若手を引き止める狙いは同じですが、仕組みが違います。

「初任給調整手当」だけで調べると、こういう県は見落とします。

同じ県でも、配属先で金額が変わります

見落としやすいのがここです。

**「〇〇県に採用されたら△△円」ではありません。**どこに配属されるかで変わります。

いちばん細かいのが山形県で、5段階に分かれていました。

区分勤務先初任給
①検査・研究部門衛生研究所296,200円
食肉衛生検査所288,700円
②家畜部門家畜保健衛生所280,700円
畜産研究所・養豚研究所277,400円
③本庁や保健所上記以外264,700円

大きく分けると3つの層になります。

区分金額の幅
①検査・研究部門288,700〜296,200円
②家畜部門277,400〜280,700円
③本庁や保健所264,700円

同じ県内で、①と③は月に3万円以上の差があります。

福岡県も3段階、福島県も2段階に分かれます。北海道は家畜保健衛生所と食肉衛生検査所に、給料の調整額が上乗せされます。

共通しているのは、食肉衛生検査所が高いことです。と畜検査という専門性の高い業務に、給料の調整額が付くためです。

手当は、毎年のように上がっています

この記事でいちばん伝えたいのが、ここかもしれません。

各県が、獣医師を確保するために手当を増やし続けています。

  • 宮崎県:令和6年4月から大幅増額。県のサイトで「全都道府県の中で最高額」と明記
  • 長崎県:令和5年4月から「全国トップクラスへ」増額
  • 山口県:ページのタイトルが「初任給調整手当を増額!
  • 徳島県:令和3年度に「特定獣医師職給料表」を新設。県は「生涯賃金で最大2,000万円の増額効果」と説明

増やし方には2種類あります

やり方内容該当する県
①手当を増やす初任給調整手当の月額を上げる宮崎・長崎・山口 など
②給料表を作り替える獣医師専用の給料表を新しく作る徳島・福岡だけ

②は数が少ないぶん、効き方が大きいです。獣医師専用の給料表を持つ2県は、どちらも上位に入りました(福岡6位・徳島14位)。

手当は上乗せなので、いつか支給が終わります。給料表は、その人が退職するまでずっと効きます。

ワン

ワン

じゃあ、この記事の順位も変わっちゃうんですか?

ゆっけ

ゆっけ

変わります。だから順位を覚えるより、「調べ方」を覚えるほうが大事です。次に書きますね。

自分で調べる手順

受験を考えている自治体があるなら、この順番で確認してください。

STEP1 採用案内の「給与」欄を見る

「〇〇県 獣医師 採用」で検索します。

金額を明示している県と、「経歴により決定」としか書かない県があります。

STEP2 試験の募集要項(受験案内)のPDFを開く

ポイント

給与は、たいてい募集要項のPDFに書かれています。

採用ページを何度も探すより、先にPDFを開くほうが早いです。

「〇〇県 獣医師 選考試験 受験案内」で検索すると、PDFが出てきます。募集要項には必ず「給与」の章があり、公表している県は、ここに金額を書いています。

熊本県・石川県・山形県・沖縄県・北海道は、これで分かりました。

STEP3 説明会で直接聞く

いちばん確実です。聞くべきは次の3つ。

確認項目聞き方の例
適用される給料表「行政職ですか、医療職ですか。特定獣医師職給料表はありますか?」
調整手当の月額と期間「初任給調整手当はいくらで、何年間支給されますか?」
勤務先による差「家畜保健衛生所と食肉衛生検査所で、手当は変わりますか?」

3つめは意外と見落とされます。福岡県・北海道・山形県は、勤務先によって金額が変わります。

初任給が分からなかったのは、山梨県だけです

47都道府県のうち、46県で金額を確認できました。

残る山梨県は、獣医師に行政職給料表・研究職給料表を適用しています。獣医師専用の初任給の定めがないため、給与便覧からも金額を特定できませんでした。

初任給調整手当は月30,000円です。

公表していなくても、調べる方法はあります

最後まで金額が見つからなかったのが佐賀県でした。採用サイトの初任給表には、行政・薬剤師・保健師の額はあっても獣医師の行だけがありません。

それでも、次の3つを組み合わせれば計算できます。

調べるもの佐賀県の場合
①初任給の基準(規則)獣医師(大学6卒)は医療職給料表(二) 2級25号給
②その号給の金額(人事委員会の給料表)268,300円
③初任給調整手当(規則)月60,000円(3年据え置き・以後年3,000円減・20年)

合計 328,300円。 ①と②と③は、どれも県のサイトで公開されている資料です。

ゆっけ

ゆっけ

少し手間ですが、「公表していない」と「調べられない」は別でした。気になる県があれば、この3つを探してみてください。

なお、これは私が積み上げた推計です。県が「初任給は◯◯円」と発表した数字ではないので、受験前には必ず県に確認してください。

まとめ

  • 初任給の1位は奈良県(351,642円)。2位北海道、3位山形県、4位広島県
  • 公表していない県も、給料表と条例から計算できる(佐賀県はこの方法で判明)
  • 初任給が分からなかったのは山梨県だけ。東京都・神奈川県は行政職給料表で条件が違う
  • 差を生むのは基本給ではなく初任給調整手当。基本給は全国で2万円程度しか違わない
  • 月額だけでなく支給期間を見る。宮崎1,027万円 vs 長崎723万円で300万円差
  • 手当は毎年のように増額される。順位より調べ方を覚える
ゆっけ

ゆっけ

僕自身、受ける前にここまで調べていませんでした。知っていたら選択肢が変わっていたかもしれません

最後に

地方公務員獣医師の仕事は、全国どこでも中身がよく似ています。

家畜保健衛生所の立入検査も、食肉衛生検査所のと畜検査も、県が変わればまったく別の仕事になる、ということはありません。

**同じような仕事をして、月に9万円違う。**それがこの記事で分かったことです。

だから給与の高いところで働く、という選び方もあります

もちろん、住んでみたい土地で働くのも大事です。実家の近くがいい、海のそばがいい——それも立派な選び方だと思います。

ただ、その判断材料に「給与」も入れてほしい。受験先を決める前に、候補の県だけでも調整手当を確認してみてください。


※ 記事中の給与データは、各自治体の採用案内・募集要項・給与条例をもとに、2026年8月時点で確認したものです。年度・採用区分・経験年数によって変わります。最新情報は必ず各自治体の採用ページでご確認ください。

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