
ゆっけ
「公務員獣医師って、結局どこの自治体がいちばん給与が高いの?」——そう思って調べたことがある方は多いはずです。
でも調べると「自治体によって違います」という答えしか出てこない。
それは事実なんですが、もう少し具体的に知りたいですよね。
この記事では実際に公開されているデータをもとに、自治体間の給与を比較します。
そのうえで、「どこを選ぶか」の判断軸を整理します。
📌 この記事の結論
- 公務員獣医師の給与は自治体で大きく違う(差の主因は獣医師手当)
- 福岡県・徳島県は「特定獣医師給料表」で基本給が高め
- 人気の政令市は意外と低い、人手不足の地方ほど手当が厚い
- 選ぶ軸は**「どこで働くか」×「どのくらい稼ぎたいか」**
理由:給与は「4つの要素」で決まる(だから自治体で差が出る)
公務員獣医師の月給は、おおまかに以下の4つで構成されています。
このうち差が最も大きいのが②の獣医師手当です。
この手当が月0円の自治体もあれば、月10万円以上出る自治体もあります。
基本給は国の人事院勧告に基づく給料表で決まるため、自治体間でそこまで大きな差は出ません。
大きな差を生むのは、獣医師手当と③地域手当の組み合わせです。
実際のデータで比較してみる
採用情報として公開されているデータをもとに、いくつかの自治体の初任給を比較してみます。
岡山県は採用ページで「24歳・技師級で311,311円」と、はっきり数字を出しています。
一方で広島県は「約28.3万円」と目安だけ。
自治体によって情報開示の粒度が全然違うのが正直なところです。
それでも同じ「公務員獣医師」で、月2〜3万円の差は普通にあります。
年収に換算すると、30〜40万円以上の差です。
特に注目すべき2県:「特定獣医師給料表」とは
公務員獣医師の給与で最も重要なのが、この「特定獣医師給料表」です。
一般的な地方公務員の給与は、「行政職俸給表(一)」または「医療職俸給表(三)」に基づいて決まります。
でも獣医師不足対策として、福岡県と徳島県では「特定獣医師給料表」という専用の給料表が適用されることがあります。
これは通常の給料表より、基本給そのものが高めに設定されています。

ワン
ゆっけさん、給料表が違うだけで、そんなに差が出るものなんですか?

ゆっけ
出ます、同じ経歴・同じ年齢でも、給料表が違うだけで生涯年収が数百万円単位で変わります。
だから転職先を選ぶときは、「どの給料表が適用されるか」の確認が思った以上に重要です。
なお、福岡県は令和7年度から筆記の専門試験を廃止しており、採用ハードルも下がっています。
給与が高めで、試験も比較的シンプル。
候補に入れる価値のある自治体の一つです。
地域手当:「都市部ほど高い」は正しいが、落とし穴がある
地域手当は、都市部に設定されている生活費補正の手当です。
たとえば東京都の官庁だと、最大20%の上乗せがあります。
ただし人気の政令指定都市は「給与が思ったより低い」というパターンが多いのが実情。
札幌市・福岡市・名古屋市などは生活環境がよく、人気が高い分だけ競争率も高い。
だから自治体側も、「手当を厚くしなくても応募がくる」状態になりやすいのです。
逆に人手不足の田舎ほど、獣医師手当を上乗せしてでも確保しようとする動機が強くなります。
| 勤務地 | 地域手当 | 獣医師手当 | トータル |
|---|---|---|---|
| 都市部(人気政令市) | ◎高い | △低め | → 思ったより変わらない |
| 地方(人手不足地域) | △低め | ◎高い | → 意外と高い |
「田舎は給料が低い」という思い込みは、公務員獣医師に関してはむしろ逆になることも多い。
自分が希望する生活環境とのバランスで選ぶのがおすすめです。
年収で見るとどう変わる
初任給だけでなく、年間ボーナスも含めた年収イメージを整理します。
民間の小動物臨床と比べると、初年度は公務員のほうが高いか同等のことが多いです。
産業動物臨床と比べると、研修期間が終わった2年目以降は産業動物のほうが高くなる場合が多いです(産業動物1年目の給与を公開!臨床のリアルな手取り に詳しく書いています)。
ただし退職金・共済年金・充実した休暇制度を含めた生涯収支で見ると、公務員が有利なケースも多いです。
自治体を選ぶときの確認ポイント
公務員は給与交渉ができません。
だからこそ、採用前の確認が命です。
面接・採用説明会で必ず聞いてほしい項目が、この3つです。
| 確認項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
| ① 適用される給料表の種類 | 「行政職?医療職?特定獣医師給料表はありますか?」 |
| ② 獣医師手当の月額と支給条件 | 「いくらですか?研修期間中も支給されますか?」 |
| ③ 昇給ペースとモデル年収 | 「5年後・10年後の年収モデルを教えてもらえますか?」 |
特に②は要注意です。
支給条件が「正規採用後から」の自治体だと、最初の数ヶ月間は思ったより少ない給与になります。
「給与についても確認させてください」と前置きして聞けば、丁寧に教えてくれる自治体がほとんど。
むしろ確認しないほうが、入ってからのギャップにつながります。
どこを選べばいいか:本音の結論
給与を最優先するなら:
- 特定獣医師給料表が適用される福岡県・徳島県は調べる価値あり
- 人手不足が深刻な地方・農業県は獣医師手当が厚い傾向
- 岡山県のように初任給を明確に公表している自治体は情報が取りやすく比較しやすい
生活と給与のバランスなら:
- 「ある程度都市部で住みやすく、給与もそこそこ」という希望には地方中核都市の県庁所在地が狙い目
- 政令指定都市(札幌・福岡市など)は人気が高い分、給与面で期待しすぎると拍子抜けすることも

ゆっけ
公務員獣医師の仕事は、自治体が違っても業務の大枠はあまり変わりません。
だからこそ「どこで働くか」と「どのくらい稼ぎたいか」の2軸で選ぶのがシンプルでいいと私は思っています。
情報収集の方法
自治体の最新の給与情報は、以下で確認できます。
- 各自治体の採用ページ(「〇〇県 獣医師 採用」で検索)
- 自治体の給与条例・規則(自治体のWebサイトに公開義務あり)
- 採用説明会・職場見学(直接聞ける最強の情報源)
- 各自治体の「職員給与の状況」レポート(毎年公表義務あり。平均給与・平均年齢・職種別の情報が載っていて、採用担当に聞きにくい場合の代替情報源になる)
※ 記事中の給与データは、各自治体の採用案内・公表資料をもとにしています。年度・採用区分・個人の資格・経験年数によって大きく変わります。最新情報は必ず各自治体の採用ページでご確認ください。




