
ワン
ゆっけさん、「公務員獣医師」ってよく聞きますけど、実際どうやってなるんですか?

ゆっけ
ひとことで言うと、獣医師免許を持っていれば、各自治体の採用試験を受けて入庁するのが基本ルートです。この記事で、種類・試験・年収・転職ルートまで一気に整理しますね。
臨床から動きたいあなたにとって、最有力の選択肢のひとつです。
「公務員=安定だけど面白くない」と思っている人にこそ、読んでほしい。
実は、意外と多様な仕事があります。
読み終えれば、公務員獣医師のなりかたが、ひととおり分かるようになります。
📌 この記事の結論
- 公務員獣医師は3種類(都道府県・国・市町村)
- 年齢制限が緩和され、40〜50代でも受験できる
- 面接だけで採用する自治体も近年増加中
- 労働環境が良く、長期では年収も臨床を上回る
結論:なるのは、思っているより簡単です
先に結論から。
公務員獣医師になるハードルは、年々下がっています。
年齢制限は緩和され、面接だけで採用する自治体も増えました。
この記事では、3つの種類と試験の受け方を、順番に解説します。
理由:なぜ、今こんなに"入りやすい"のか
理由は、全国的に公務員獣医師が足りていないから。
- 獣医師不足で、60歳前後まで受験できる自治体が過半数
- 面接だけで採用する自治体も増加中
- 労働環境も良く、長期では年収も臨床を上回る
つまり「もう年齢的に無理かも」「試験が大変そう」は、今はほぼ当てはまりません。
では、具体的に見ていきましょう。
具体例:公務員獣医師の3つの種類

公務員獣医師の職場は、大きく都道府県・国・市町村の3種類に分かれます
① 都道府県・政令指定都市の獣医職
最も多いルートです。
配属先は、以下のような職種(部署)に分かれます。
同じ「都道府県の獣医職」でも、配属される職種によって仕事内容はまったく違います。

「都道府県の獣医職」の中にも、これだけ違う4つの仕事があります
② 国家公務員(厚生労働省・農林水産省)
- 食品安全・畜産政策の企画立案
- 検疫所での輸出入動物管理
- 政策レベルの仕事
③ 市町村・特別区
- 動物愛護
- 食品衛生
- 規模が小さく業務範囲が広い
保健所と市町村・特別区は、都道府県とやることが似ている部分が多いですが、家畜保健衛生所の仕事はありません。
狂犬病予防員業務・食品衛生・動物愛護など、住民に近い業務を担当します。

ワン
…こんなに種類があるんですね!

ゆっけ
そう、知らないだけで選択肢は広くて、配属先によって仕事内容も雰囲気も全然違うんです。
「公務員獣医師=家畜保健衛生所」と思っている人が多いですが、実態はもっと多様です。
年収レンジ
| 種類 | 初任給(月) | 30代年収 | 40代年収 |
|---|---|---|---|
| 都道府県獣医職 | 27〜30万円 | 550〜700万円 | 700〜900万円 |
| 国家公務員 | 28〜32万円 | 600〜800万円 | 800〜1100万円 |
| 市町村・特別区 | 26〜29万円 | 500〜650万円 | 650〜850万円 |
小動物臨床と比べると、「初任給は同等、長期的には上回る」のが公務員です。
年功序列なので、40代以降に伸びるのが特徴です。
労働環境:ここが最大の魅力
| 項目 | 小動物臨床 | 公務員獣医師 |
|---|---|---|
| 年間休日 | 95〜110日 | 120〜125日 |
| 残業 | 月60〜90時間 | 月10〜30時間 |
| 産休育休 | 病院による | あり |
| 復職 | 病院による | 取りやすい |
| 転勤 | なし | あり(自治体内) |

ワン
産休育休がちゃんと取れるのは、特に女性獣医師には大きいですね。

ゆっけ
実際、私が働いていた家畜保健衛生所では、職員の半数が女性でした。
産休・育休・時短勤務を活用しながら、長くキャリアを続けている方が多かったです。
「臨床を辞めても獣医師として働き続けたい」。
そう考える女性にとって、公務員は理想的な選択肢になります。
公務員試験の受け方
受験資格
公務員獣医師になるための受験資格は、シンプルです。
獣医師免許(または取得見込み)と、自治体ごとの年齢制限だけ。
臨床経験は問われません。
みんなが心配するのが「年齢制限」です。
でも実は、獣医師不足の影響で、ほとんどの自治体が年齢制限を大幅に緩和しています。
具体的には、60歳前後まで受験できる自治体が全国の過半数。
北海道62歳未満、山梨県62歳未満、静岡県62歳以下、山口県62歳以下——これくらい高い年齢でも受験可能です。
「もう30代だから無理かも…」と諦める必要は、まったくありません。
試験内容
試験対策のポイントは3つ。
専門試験は、獣医師国家試験の知識がほぼそのまま使えること。
教養試験は、時事・数的処理だけ別途対策が必要なこと。
そして過去問は自治体HPで公開されていることが多いことです。
さらに、朗報があります。
最近は専門試験・教養試験を実施しない自治体のほうが多いんです。
獣医師不足でどこも定員割れを起こしているので、面接だけで採用する自治体も近年増加中。
「試験対策に何ヶ月もかけないと無理」というイメージは、もう古いかもしれません。
受験スケジュール
自治体によっては、年に複数回募集することもあります。北海道は随時募集しています。
働きながら受験するのが、現実的なスケジュールです。

現職を続けながら、夜間や休日にコツコツ対策するのが現実的です
公務員獣医師への転職ルート
公務員獣医師への王道ルートは、試験を受けて入庁する——これに尽きます。
このルートの最大のメリットは、現職に黙って受験できること。
受験自体は誰にも知られずに進められます。
だから、万が一受からなくても現職を失うリスクがありません。
これは、大きな安心材料です。
中途採用枠を設けている自治体もありますが、王道はあくまで通常の試験を受けて入庁するルート。
「自分の経歴で受かるか不安」という方も、まずは通常ルートで挑戦してみるのがおすすめです。
向いている人・向いていない人
向いている人
- ワークライフバランス最優先
- 結婚・出産・育児を見据えている
- 年功序列で着実に上がりたい
- 政策・行政・防疫に興味がある
- 安定したキャリアを築きたい
向いていない人
- 動物に毎日触れたい
- ベンチャー的な働き方が好き
- 短期間で年収を大きく伸ばしたい
- 転勤を絶対に避けたい
- 規則・決裁プロセスが苦手
まとめ:なり方は3種類。試験のハードルは下がっています
最後に、もう一度結論です。
- 公務員獣医師は3種類あり、それぞれ仕事が違う
- 試験は獣医師国家試験の知識でカバーできる
- 年齢制限は大幅に緩和、面接だけで採用する自治体も増加中
- 初任給は臨床と同等、長期では上回る

ワン
ゆっけさん、公務員獣医師って、思っていたよりも入りやすいんですね。

ゆっけ
そうなんです。だからこそ、選択肢として持っておくだけでも価値があります。
なお、「実際の働き方はどうなのか」「自分に向いているのか」が気になる方へ。
職場のリアルな空気や、正直な本音は、こちらの記事にまとめてあります。










