
ワン
ゆっけさん、転職っていろんな噂を聞きますけど、何を信じればいいんですか?

ゆっけ
話を聞いていると、転職に対する「思い込み」や「勘違い」が多くの獣医師の足を引っ張っていると感じます。
「3年は我慢しないと」「自分には無理」「リスクが大きい」——これらは本当に正しいのでしょうか。
今回は、私自身の経験・同期友人の体験談・業界の動向をもとに、よくある勘違い7選を整理しました。
1つでも「自分も信じてたな」と気づければ、転職活動のハードルがぐっと下がるはずです。
📌 この記事の結論
- 転職を阻むのは7つの思い込み
- 「3年我慢」「決まらない」「リスキー」はもう古い(転職活動はノーリスク)
- 年収が低いのは能力でなく業界の構造の問題
- エージェントに会う=ただの情報収集(転職確定じゃない)
結論:転職を止めているのは「7つの思い込み」
先に結論から。
獣医師の転職をためらわせているのは、実はもう古くなった「7つの思い込み」であることがほとんどです。

この7つです。当てはまるものがあれば、そこだけ読んでください
迷っているのは、あなただけではありません
数字で確かめておきます。
2025年に転職した人は330万人。働いている人の4.8%で、20人に1人が1年のうちに職場を変えています。
一方で、「今の仕事を辞めて別の仕事に変わりたい」と答えた人は1023万人。10年前の812万人から、増え続けています。
動きたいと思っている人の、3人に1人しか動いていないということです。
残りの3分の2を足止めしているのが、これから挙げる思い込みです。
出典:総務省統計局 労働力調査(詳細集計)2025年平均
理由:なぜ、その「常識」はもう当てにならないのか
理由は、獣医師業界がここ数年で「深刻な人手不足=売り手市場」に変わったから。
「3年は我慢」「転職は難しい」——これらは、獣医師が余っていた時代の常識です。
いまは求人が溢れ、1〜2年の経験でも十分に評価されます。
昔の常識のままだと、動けるはずの人まで足を止めてしまいます。
だからこそ、まず思い込みを1つずつ外していきましょう。
具体例:よくある「勘違い」7選
勘違い①:「3年は勤めないと転職できない」
獣医師業界で最も根強い迷信がこれです。
「動物病院は石の上にも3年」と、新卒で入った日に院長や先輩から言われた人も多いはず。

ワン
ゆっけさん、本当に3年は我慢しなきゃダメなんですか?

ゆっけ
これは完全に古い常識で、人手不足の今は1〜2年の経験があれば十分に評価されます。
実際、ある転職エージェントに聞くと「獣医師なら勤続1年半あれば十分に転職先を紹介できる」とのこと。
むしろ、ブラック病院で心身を壊しながら3年耐え続けるほうが、よほどキャリアにマイナスです。
ただし、数ヶ月で辞めると「すぐ辞める人」と思われるリスクはあります。
せめて1年〜1年半は経験を積んでから動くのがおすすめです。
勘違い②:「転職先なんて、そう簡単に決まらない」
「転職活動って何ヶ月もかかるんでしょ?」「自分なんかが内定もらえるわけない…」。
特に新卒で苦労した人や、今の職場で評価されていないと感じる人に多い思い込みです。
でも、獣医師の転職市場は圧倒的な売り手市場。
全国的に獣医師が足りておらず、求人は溢れています。
優秀なエージェントを使えば、最短2〜3週間で内定が出ることもあります。
ある友人は「面接に行っただけで、その場で『来週から来てください』と言われた」と笑っていました。
自信がない人ほど、転職活動を試してみてほしい。
「自分は意外と求められているんだ」という成功体験が、その後の自信につながります。
勘違い③:「転職なんてリスキー」
「転職は危ない」「同じ病院で長く働くのが安定」——昔の常識ですが、今は通用しません。

ワン
ずっと同じ病院にいるほうが安心じゃないんですか?

ゆっけ
むしろ今は、ブラック病院に居続けることのほうがリスクなんです。
- 心身を壊して働けなくなる
- ブラックな働き方しか知らないまま年を重ねる
- 評価されるスキルが身につかない
- 給料が上がらない
これらは全部、「動かないこと」によるリスクです。
実際に転職した同期や友人からは、こんな声ばかり聞きます。
「年収が50〜100万円アップした」「残業が激減した」「今の仕事の方が自分に合ってる」。
そもそも、転職活動そのものはノーリスクです。
動いてみて、いまより良い求人がなければ、そのまま今の職場に残ればいいだけです。
求人を見るのも、面談を受けるのも、内定を断るのも自由です。誰にも迷惑はかかりません。
失うのは、時間と労力くらいです。
むしろ、自分がいくらで評価されるのかを確かめるために、一度動いてみる価値はあります。
求人を見て、面談で話して、条件を提示してもらう。それだけで、いまの給与が相場より高いのか安いのかが分かります。
「転職するかどうか」は、そのあとで決めれば十分です。
これは私だけが言っていることではありません。両学長のYouTube動画でも、同じ趣旨のことが語られています。
転職にはリスクがあるが、転職活動にはリスクがない。
より良い職場だと確信が持てなければ、転職しなければいいだけ。
お金の専門家から見ても、ここは同じ結論になるということです。

どちらに転んでも、損はしません
勘違い④:「転職すれば、全てが良くなる」
逆に、これは転職に過剰な期待を持っている人の勘違いです。
「転職さえすれば嫌な院長から逃げられる」「年収もワークライフバランスも全部解決」。
気持ちはわかりますが、「転職さえすれば」という思考は危険です。
どの職場にも、良い面と悪い面が必ずあります。
新しい職場でも、人間関係は自分で築いていく必要があります。
転職はゴールではなく、新しいスタートライン。
「転職すれば全部解決」と思わず、転職後にどう動くかまで考えておくことが大切です。
私自身、何度かキャリアを変えて感じるのは「転職先での過ごし方が、転職そのものより大事」ということ。
完璧な職場はないと知った上で動く人が、結果的に幸せになります。
勘違い⑤:「資格さえ取れば転職できる」
獣医師資格や専門医資格があれば、自動的に良い転職先が見つかる——そんなことはありません。
「専門医資格を取れば年収が上がるはず」と、資格取得に走る人がいます。
でも、転職市場で評価されるのは資格そのものではなく、総合力です。
- 実務経験(症例数・執刀数)
- 実際の成果
- 即戦力としての適応力
- 面接でのコミュニケーション
資格を取る前に、まず転職エージェントに聞いてみてください。
「この資格を取ったら、市場価値はどう変わりますか?」と。
プロは業界の最新動向を把握しているので、「時間をかける価値があるか」を客観的に教えてくれます。
ゴール(どんなキャリアを歩みたいか)を決めてから、手段(資格・経験)を選ぶ——この順番が大事です。
勘違い⑥:「年収が低いのは、自分の能力が低いから」
これは、多くの動物病院勤務獣医師が密かに抱えている思い込みです。

ワン
頑張れば、いつか給料って上がるんじゃないんですか?

ゆっけ
気持ちはわかりますが、これは業界の構造を見落とした勘違いです。
年収が何で決まるのか。私の感覚では、だいたいこうです。
| 何で決まるか | 割合 |
|---|---|
| どの業界・分野にいるか | 5割 |
| どの会社・病院にいるか | 3割 |
| 個人の努力やスキル | 2割 |
個人の努力で動かせるのは、2割くらいだと思っています。

※ 統計ではなく、筆者の実感です
これは数字で確かめた比率ではなく、私が4つの現場を見てきた実感です。ただ、方向としては間違っていないはずです。
実際の数字を並べると、こうなります。
| 分野 | 1年目の年収 |
|---|---|
| 小動物臨床 | 約380万円 |
| 産業動物臨床 | 約430万円 |
| 公務員 | 約450万円 |
同じ免許、同じ1年目で、70万円の差がついています。能力の差ではありません。
しかも産業動物は2年目で約580万円になります。1年で150万円増えるのは、頑張ったからではなく、手当の付き方が変わるからです。
動かせるのは、1つだけです
もうひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。
日本の多くの職場は、いまも年功序列です。公務員はもちろん、動物病院でも「勤続年数で上がる」形は根強く残っています。
つまりスキルではなく、年齢で年収が決まっている部分がかなりあるということです。
ここから分かることは、ひとつです。
| 年収を決めるもの | 変えられる? |
|---|---|
| 年齢・勤続年数 | ❌ 変えられない |
| 勤め先の給与水準 | ⭕️ 変えられる |
年齢は1年に1歳しか増えません。 でも、勤め先は変えられます。
つまり、年収を上げたいなら動かせるのは勤め先だけです。
動物病院で5年頑張って50万円上げるより、公務員や企業に移るほうが早い。一気に100万円以上アップするケースが、普通にあります。
「自分の能力が低いから給料が安い」と自分を責めるのは、もうやめましょう。
それは業界の構造の話であって、あなたの問題ではありません。
勘違い⑦:「エージェントに会う=転職確定」
「エージェントに会ったら、転職しないと失礼かも」「断れなくなったら困る」。

ワン
エージェントに会うのって、ハードルが高そうで私も気になってました…。

ゆっけ
実はこれも大きな勘違いで、エージェントに会うこと・選考に進むこと・実際に転職することは、全部別物です。
会うのは、ただの情報収集。
話を聞いた上で「やっぱり今の職場に残ろう」と判断するのは、完全にあなたの自由です。
まともなエージェントなら、どれもOKで対応してくれます。
「今すぐ転職する気はなくても情報収集だけ」「相場感を知りたいだけ」「面談したけど残ることにした」——全部ありです。
私自身も利用したとき、最初は「まだ転職するか決めていない」と伝えていました。
それでも丁寧に相場や案件を教えてくれました。
「動くなら今」「もう少し経験を積んでからでも遅くない」と、冷静なアドバイスももらえました。
エージェントは「使うもの」であって「使われるもの」ではありません。
気軽な気持ちで面談を受けてみてください。
思い込み以外にも、先輩たちがつまずいたところがあります。先回りして知っておくと安心です。

まとめ:思い込みを外せば、転職はもっと身近になる

ワン
ゆっけさん、こうやって並べると、思い込みって結構多いですね…

ゆっけ
そう、だからこそ「現状を正確に把握する」ことが転職活動の第一歩です。
裸の王様になることも、無駄に自己肯定感を下げることも避けたい。
だからこそ、まず動いてみることが大切です。
「今の職場のままでいいんだろうか?」と少しでも思っているなら、まず転職エージェントに相談だけしてみてください。
失うものは何もありません。
自分の市場価値や業界の動向を知るだけで、今の職場の見え方が変わるはずです。
※ 本記事は筆者の経験・同期友人の体験談・業界の動向をもとに構成しています。




